設計・ディレクション/GK京都
本施設ではじめにお客様をお迎えするエントランスの装飾をということで、道後温泉本館玄関の唐破風屋根をオマージュとしたゆるやかな三次元曲面を和紙に取り入れたくと3D技術で設計した。
その設計をもとに、建具職人さんの曲げ木技術で板を曲げ、固定したものを貼り合わせて制作する特注の木製漉き道具を制作。
形状記憶するプラスチックワイヤーと和紙こよりで格子状に編んだ面で三次元曲面を作り出し、そこに楮を漉き上げ流。曲面となっているため、均一に漉くために、何度も何度も薄く漉き重ねる。これらの簾状の和紙を設置するための金具も曲線にあわせた特注品。
また左右で淡く発光する2本の柱には、0,5mmピッチで糸を編んでいる和紙に「透かし」の技術を応用し、お湯の湯気をイメージした立涌文様と七宝文様があしらわれている。
その柱の和紙には松山市の花である「椿」が立体で漉かれている。
椿を3D技術で設計し、3Dプリントで出力した椿の立体メッシュを和紙に取り付け一緒に漉きあげた。